朝市ウォッチング

朝市のおいちゃん!~骨董品&何でも屋

何でもあり!?の「何でも屋」

毘沙門天の置物、古代海洋生物の化石、翁のお面、ボトルシップ、郵便ポストのかたちの小さな貯金箱、ひょうたん、誰かの書、磁器の花瓶に陶器のうつわ。たまに、毛皮…。
大きなものから小さなものまで、古いものから新しいものまで。袴田次男(はかまだつぎお)さんのお店の商品ラインナップは、こんなかんじ。これでも、ごくごく一部です。
 白い軽自動車のトランクは、もしかして四次元ポケットなんでしょうか? 小柄な次男さんは、信じられないくらいの量の品物を次から次へ、出しては並べていきます。
 並べ終えると「おはよ〜う!」 「今週も来たね」 よく日焼けした顔に笑顔を浮かべて、通る人に明るく声をかけます。だからお店には、買い物だけではなくて、おしゃべりを楽しむ人も集まってきます。そういえば私にも、館鼻岸壁朝市に通いはじめた頃からすぐに「おはよう!」と声をかけてくれたっけ。
 ところで次男さんには、じつは本業らしきものがあるのですが、それもお店の商品と同じくらい“いろいろ”みたいです。ペンキ塗り、リフォーム、解体作業、工作、などなど。
 「何屋さんなんですか?」と尋ねると、「何でも屋だよ」 のんびりたばこをふかしながら答えます。

商売半分、楽しみ半分

「何でも屋」業をしていると、たとえばリフォームした家だとかからいろいろな品物が出てくるので、それを買い取ったり、引き取ったりしているうちに、いつのまにかお店が開けるくらいの量になったのだとか。そのようにして、次男さんのお店はスタートしたのでした。今から6年ほど前のことです。
 読んで字のごとし、次男さんにはお兄さんがいます。お兄さんは何をしているのかというと、じつは館鼻岸壁朝市に出ています。
 お兄さんは、館鼻岸壁のすぐ近くに会社がある「尾崎商店」という魚屋さんで、新鮮な魚介類を扱っています。朝市では大きなマグロのカマなんかも売っていて、場所は次男さんのお店の斜め向かい。
 魚と骨董品、お仕事のジャンルはぜんぜん違うけれど、仲のいいきょうだいです。じつはお姉さんもいて、六戸町の出身だけれど今ではみんな、八戸に住んでいるそうです。やっぱり仲がいいんです。
 「商売半分、楽しみ半分だよ」 雨の日も雪の日も、休まず館鼻岸壁朝市に出ている理由を、次男さんはこう話します。だから、お客さんに気前よく商品をあげちゃったり、おまけをつけちゃったりすることもあって、大丈夫!?と、勝手にちょっと心配にもなりますが。
 もはや“朝市で会える親戚のおじさん”みたいな感覚になりつつある次男さんです。


次男さんのお店のようす。


4月のある日、館鼻岸壁朝市にて。次男さんのお兄さんのお店です。

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