イサバのカッチャは、イワシで女子会。
こんにちは、ユキパル女です。
0度より上か、下か。
八戸に長く住んでいると、だんだん分かるようになってきます。
空気が静かに、固く、キーンと凍りついているように感じたら、氷点下。ここまで気温が下がると、冬将軍の魔手からは逃げられないという最後通牒です。
本格的な冬の到来を肌で感じた今週の朝市。
朝方はマイナス7度で、お店もお客さんもやや少なめ。寒さと乾燥が鼻とのどを直撃し、マスクで武装したユキパル女。遠くに暖かそうな小さな炎を見つけなかったら、くじけるところでした。
かっちゃ(お母さん)たちがたき火をしています。小魚も焼いています。
誰それの住宅ローンがやっと終わったとか、誰それのお母さんは具合が悪いとか。けっこうシビアな話なのに、全体に漂うこのキャピキャピ感。
「こったらの焼いてるの、しょおすいから、写真撮らねで(こんなの焼いてるの恥ずかしいから、写真撮らないで)」と、1人のかっちゃが頬を赤らめ、「でもこったらのがハマらしくていいんだべ(でもこんなのが〝漁港〟ってかんじでいいんでしょ?)」と、世慣れた風の別のかっちゃ(笑)。
放課後の教室では、女子高生がチョコレートやポテトチップスをつまみながらトークしますが、冬の館鼻岸壁朝市では、魚屋のかっちゃがイワシを囲んで女子会します。
ガールズトークに花を咲かせていると、颯爽と男子が登場!
お菓子屋歴65年、黒ブチめがねがトレードマーク大渡さんです。2尾めのイワシを食べようと、ユキパル女がマスクを外した、そのとき。
「なんだ。どったらつらしてるかと思ったら、めんこいべな。つらっこ出して商売しないばダメだ! めんこいつらっこしてるんだすけ。(なんだ、どんな顔をしてるのかと思ったらかわいいじゃない。かわいい顔してるんだから顔出して商売しないとダメだよ!)」
そう言いながら、ほどよく焼けた食べごろのイワシをさりげなく差し出してくれました。
…黒ブチめがねが、がぜん知的な輝きをおびてきました。
ああ、出会うのがあと60年早かったら(私、生まれてないけど)。
淡いときめきとともに噛みしめるイワシは、過ぎ去った青春のようにしょっぱかったのでした。
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