湊日曜朝市会の事務所近くを通ると、なにやらお囃子が聞こえてきました。
　異形の芸人さんが路上に正座して準備中でした。
　一見お神楽かなとも思いますが、
「神楽の面は私の手作りですから本当の神楽ではありません。お神楽から河童が出てきます」
　神奈川から来たという芸人さんは、お祭りの日程を間違えて1週間早く来てしまったのだそうです。
　せっかく来たのだから、朝市でお披露目しようということになりました。
　通路の臨時ステージを囲んで、あっという間に人だかり。
「男山」の一升瓶がそばに置かれてありましたので、お神酒かと思いました。
　その透明な液体を一口含んで、松明の火を口元に近づけると、ボーっと火柱が宙にのぼりました。
「火ふき」の迫力に拍手がわきます。
　お神楽で一回りしているうちに河童が現れます。
　いたずら好きの河童が子供の観客にちょっかいを出します。
　河童からひょっとこに、ひょっとこがおかめに変わります。

　汗をかきながら半脱ぎになった芸人さんを見て、後ろから地元の女性の声。
「年とった人だと思ってたら、まだ若い人だよなさ」（どっちでしょう？）
　しめくくりには、また大きな火を吹いて、やんやの喝采を浴びていました。

　７月19日（金）〜21日（日）の第61回湊七夕祭りに出演する予定です。