カッポと激辛ナンバン、山椒のすりこぎ棒〜山遊び名人の山菜・きのこ店
山歩きと手作りが大好き
川村辰夫(かわむらたつお)さんのお店では、「滋養・強壮に」と書かれたスズメバチの焼酎漬け、マムシが丸ごと1匹入ったマムシ酒、とキョウレツなものがあると思うと、ピンク色の花が揺れていたりします。タケノコのびん詰めにきのこの缶詰め、それに山椒の枝のすりこぎ棒。
一見バラバラですが、共通しているのは、すべて辰夫さんが育てたり、作ったりしたものだということ。館鼻岸壁朝市は海の目の前ですが、ここには、春夏秋冬の山の恵みがところせましと並んでいます。
「多趣味というか…なんでもやっちゃうし、作っちゃう。一人でふらっと山に行くんで、死んでも分かんないんじゃ困るよって脅してるんですけど(笑)」と、娘の潤子さん。
「秋になったらきのこ汁を食わしてやるからおいで」 調理師の免状を見せながら、辰夫さんも言いました。
辰夫さんはもともと自衛官で、料理は現役時代に覚えたとのこと。退職してからは山歩きや植物栽培に打ち込み、お店を出すまでになりました。
山椒のすりこぎ棒などは、木を切って乾かした後、虫を追い出すためにしっかりと煮沸し、それから削って成形して…と、とても手間がかかるそうです。マムシやスズメバチとの闘いも、命がけ。でも、そんな様子をいきいきと話す辰夫さんは、本当に山歩きと手作りが好きなんですね。
川村家秘伝の激辛ナンバンにご注意!
そして先日、ついに「特製天然きのこ汁」がお店に登場しました。大鍋から立ち上る湯気が、ストリートを行く人々をひきつけます。
この日の具は、山から採りたてのカックイ、ヤナギナメコ、ツチスギタケ。少しとろみのある汁はだしがきいていて、かぐわしい香りがたまりません。これ以上ないほど新鮮な山の幸が、200円で食べられるなんて。うれしいと同時に、なんだか申し訳ない気持ちになるくらいです。
かたわらにあった「激辛ナンバン」。これを振りかけたら、香りがきわだつかも。少しだけ…。
「!」
次の瞬間、想像以上の刺激に、せ、せきが、止まらない! 一気に吹き出す汗。さっきまでの寒さはどこへやら、からだが一気に熱くなりました。このナンバン(唐辛子)も、もちろん辰夫さんのお手製です。川村家では定番の薬味だそうで、「慣れちゃいましたね」と潤子さんは涼しい顔。川村ファミリーおそるべし、です。
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