愛すべき 〝おやんず〟2
鳥カゴと盆栽をおそろしく不熱心に売っている〝おやんず〟(=おやじ、の八戸弁)たちに別れを告げ、ホテホテと歩いてゆくと、ひときわあやしいオーラを放つお店を発見。ブルーシートの上に軍手、靴下なんかの日用品を並べているのだけれど、中央にはなんと人間の首! 美容師さんがカットやパーマの練習に使う「ウィッグ」と呼ばれるものです。しかも、相当な極道。端正なマスクに鼻血がたれてるし、左右の頬にも傷が…!
ユキパル女(じょ)「あの〜、これって売ってるんですか?」
極道ナマクビ売りのおやんず(以下、おやんず)「うん。売ってもいいよ〜」
ユキパル女「ちなみにおいくらですか?」
おやんず「ん? ひゃくまんえ〜ん!」
ユキパル女「高っ!」
おやんず「そう? じゃあ、1まんえ〜ん!!」
なんと、今なら定価の99%オフ! 奥さま、激しくお買い得ですよ! …て、オイ! 最初から値付けが超テキトーじゃないか、おやんず!? と、関西人でもないのに思わずツッコミを入れたくなるほどゆるゆるのおやんず。
思えば小学生の頃、近所の駄菓子屋のおばちゃんに「スーパーファミコンはいつ入るの?」と聞いたら、涼しい顔で「あさって」と答え、その後何年経ってももちろん入荷しなかった、ということもあったので、こういうのんびりとしたボケって、八戸人特有のユーモアなのかもしれません。自分から笑いを取りには行かないけど、振ってくれたら案外いい仕事するぜ、という、ひかえめなユーモア。
だから館鼻岸壁朝市に行ったら、たとえ愛想の悪いおやんずにでも、ちょっと話しかけてみてください。意外と気の利いた返事が返ってくるかもしれません。
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