森の名手・名人がつくる木工品~大建木工
木に聞かないといい仕事はできない
そう、ここはナチュラルなオープンカフェ…ではなくて、館鼻岸壁朝市の木工品のお店です。(お向かいの「ラリア・カフェ」から、ときどき本当にケータリングを頼んでいる人もいます)
緑のパラソルの下、木目調のテーブルを囲んでベンチにゆったり腰かけると、飾り棚に並んだいろいろな作品に目がいきます。
組み立て式のテーブル、スツール、ベンチ、飾り棚、ミニチュアテーブルとイス、フクロウの置物、花器、などなど。すべて手作り、もちろん1点ものです。
「木さ聞かねばいい仕事ぁできねんだ(木に聞かないといい仕事はできないんだ)」 にこやかにお話ししていたのに、木工品の話になると表情をひきしめたのは、大坊健三さん。
大坊さんの作品は、木目や節目もそのまま。森にポンと置いても、おしゃれなカフェにあっても違和感がないような独特のデザインです。スツールに腰かけてみると、なぜかホッとして、肩の力が抜けていくのを感じました。
名人のお店は朝市のとまり木
青森県と秋田県の境目、にんにくで有名な田子町から来ている大坊さんは、木工品作りの名人。若いころは大工をしていて、北海道をはじめ全国各地を回っていました。仕事の合間を縫っては作品を作りためて、はや40年。5年ほど前に大工を引退してから本格的に家具などを作りはじめ、朝市にも出るようになりました。
2007年、公益社団法人国土緑化推進機構から「森の名手・名人」にも選ばれています。
大坊さんの作品は、材料のほとんどが田子の間伐材。短くても1年、長いときは15~20年ねかせたものを使います。じゅうぶん乾かさないと、後から反りやクセが出るのです。チェーンソーで1本1本切りながら、「どうしたら木が喜ぶかたちになるか?」と、素材にあわせた使い方を考え、金具や釘をあまり使わずに組み立てます。「釘使うんだば、誰にだって作れるんだぁ」とちょっと得意顔。仕上げにはドイツ製の自然派塗料を使います。
館鼻岸壁でお客さんと話すと勉強になるし、作品のヒントも生まれると、うれしそうに話してくれた大坊さん。「田子さ来たら工房さ遊びに来るんだぁ」とお誘いがありました。田子町の工房を、朝市のように気軽に集まれる展示販売場にするのが、大坊さんの夢なのです。
その間にも、スツールに座っておしゃべりしたり、休んだりしていく人がたくさん。居心地のいい木に小鳥がとまるように…。大建木工は朝市の「とまり木」です。
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