朝市ウォッチング

がんばれ! 脱サラ魚屋さん〜イカ焼の妙川さんの店

イカのかまりっこにさそわれて

10月ともなると、朝の館鼻岸壁は少しずつ肌寒くなっていきます。これぞ、食欲の秋なのでしょうか? 朝食前のひもじさが、ことさらにこたえます。
 そんなとき、鼻先をくすぐった香ばしい〝かまりっこ〟…。

(〝かまりっこ〟は、八戸弁で「におい」「香り」の意味。漬け物が古くなってすっぱくなっているときなど、『古漬けかまりがする』なんて言いますが、ただの「かまり」より「かまりっこ」のほうがすこし、ていねいです。)

味付けイカやお魚を炭火で焼いている魚屋さんです。店先に立つのは、茶髪のお兄さんと奥さん。そして「名物いか焼き」の小旗。若いご夫婦でやっているお店は、ベテランの「イサバのカッチャ」(ハマで魚を扱う元気なお母ちゃん)が多い館鼻岸壁朝市では、ちょっと珍しいんです。お店の奥には、すやすや眠る赤ちゃんがいました。もうすぐ2ヶ月になるという女の子、心海(ここみ)ちゃんです。そこにお兄さんのお母さんも出てきて、ファミリーが揃いました。

ずっと海が好きだったから

「もとはサラリーマンだったんです」 慣れた手つきでイカの焼き具合をたしかめながら、ぽつり、ぽつりと話してくれた店主の妙川(みょうかわ)さん。
 「今年は水温が高くて、あんまり魚が獲れなかったけど、これからはよくなるんじゃないかな。今はイナダの季節です」 日に焼けた顔も朴訥とした話し方も〝海の男〟のイメージそのままですが、1年ほど前までは営業の仕事をしていたといいます。魚屋さんに転職したきっかけは、「ずっと海が好きだった」から。
 八戸と同じ三陸沿岸の港町・宮古市の出身で、海には特別な想いをいだいてきました。いまの住まいも、館鼻岸壁から歩けるほどのところ。海を身近に感じ続けています。そんな生活の中で漁師さんと知り合い、漁を手伝うようになったのも、妙川さんにとっては自然な流れだったのかもしれません。
 東日本大震災後、八戸うみねこ朝市から館鼻岸壁朝市に、念願のお店を開きました。自分でとってきた魚を中心に、鮮魚と加工品を売っています。漁も好きだけれど、自分はやっぱり売る方かなと、笑顔になった妙川さんです。






この秋から、出産のためお休みしていた奥さんが復帰。魚屋さんを開いていたことがあるお母さんの接客姿はさすがに堂に入っているし、心海ちゃんの愛らしさも加わりました。看板美女3人をむかえて、妙川さんのお店はパワーアップしていきそう。店名もまだ決まっていないそうで、どんな名前がつくのかも楽しみです。

がんばれ! 脱サラ魚屋さん!! …と、さわやかに去ろうとしたら、肝心のイカ焼を食べそこねちゃった。次こそ!と誓った、秋晴れの朝でした。

 妙川さんのイカ焼は朝市でしか食べられませんが、かめばかむほどおいしい「焼きするめさき」など、八戸沖でとれたイカのおつまみはこちらからどうぞ。



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