地酒が香るふわふわまんじゅう~わたすげ
地酒6銘柄の香りと、しっとりふわふわの皮がおいしい
青森県南の地酒6銘柄の酒粕を使った「酒まんじゅう」が、この7月から八戸市のデパート「三春屋」で販売されて、八戸の新しいおみやげとして注目を集めています。
手のひらに乗るほどのまんじゅうは、真っ白でふわふわ。2つに割ると、地酒のゆたかな香りが広がります。ほおばると、しっとりした皮と甘さ控えめのあんに、ほどよい塩味がアクセントになっています。
とくに皮のしっとり感が独特なのですが、その秘密は6種類の地酒の酒粕と、すりおろした「だるまいも」が練りこまれているから。
この酒まんじゅうを作っているのは、八戸市にある郷土料理と創作和食のお店「菜膳わたすげ」です。
まず自分が食べたくて、ほうぼう食べ歩く
酒まんじゅうは、おかみ・山本康子さんの大好物。「もともとはお客さんより、私がまず食べたかったのよね」と、康子さんは笑います。
ほうぼうのお菓子屋さんで食べ歩いたり、山の中の集落に達人がいると聞けば、車で1時間以上かけて習いに出かけたり。工夫を重ねながら6年ほど前から、八戸市のお祭り「えんぶり」の会場などで販売してきました。
「酒粕は“生き物”。毎日ちがうから、生地と相談しながら作っていくの。楽しいわよ!」と康子さんは言います。
発酵の度合いやその日の気温、湿度によってもコンディションが変わるために管理が難しいぶん、まろやかな甘い香りだったり、お酒の濃醇な風味がしたりと、少しずつ香りが違います。皮の食感もデリケートに違っていて、とても個性豊かです。
お酒は、八仙(はっせん)・八鶴(はちつる)・如空(じょくう)・桃川(ももかわ)・ねぶた・杉玉(すぎだま)です。八戸市と五戸町、おいらせ町と、青森県南でがんばる3つの蔵元で作られています。
1つの箱に6種類入っているので、おまんじゅうを「利き酒」のように楽しめます。
「だるまいも」は長いも王国・青森県の中でも、収量が少ない貴重な品種。地物の長いもの一種で、ふつうの長いもと比べて丸っこくて短く、でんぷん質が多く、甘みとコクが強いのが特徴です。練り込むことで、作りたてはもちろん、冷解凍してもしっとりふわふわな皮ができあがります。だからわたすげの酒まんじゅうは、温めても、冷やしてもおいしく召し上がれます。
野菜たっぷり、郷土料理と創作和食のお店
「菜膳わたすげ」は、八戸市の中心街から車で5分ほどの住宅街の中にあり、ひっそりとしたたたずまいは一見、ふつうの住宅のようです。
けれど、引き戸を開けて一歩足を踏み入れると、そこには美しい帯やミニ着物が飾ってあったり、季節の花がさりげなく、生けてあったり。さっぱりとセンスのいい和のあつらえが、せわしない日々を忘れさせてくれます。
お料理は、野菜が主役。長いもやじゃがいも、ごぼうなど、野菜は手に入る限り地元のものを使い、お料理やお菓子を手作りしています。1つ1つていねいに、素材と対話しながら作る酒まんじゅうも、人気のおやつです。
お茶のおともに、お酒のおつまみに、おひとついかがですか?
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