朝市なう

館鼻岸壁朝市の旬な情報をお届け。

虫愛づる姫君

ユキパル女、実家はなにげに百姓です。

おばぁ(79)は今も現役。「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」なイーハトーヴォの住人・おばぁは、なんと運転免許を持っていました。耕うん機(田んぼや畑を耕す機械)を運転するためです。

その昔、私たちは耕うん機を「ゴドゴド」と呼んでいました。「ゴドゴド」とでっかい音をたてるそれを怪物かのごとく恐れてきたため、私たちきょうだいの間で長い間、キョーフの的でありました。ゴドゴド!

なので、5月27日の館鼻岸壁朝市でひさしぶりにこの文字を目にしたときは、センリツしました。ゴドゴド!!

でもよく見ると「カブトムシの幼虫」って書いてあります。甲虫の幼虫を、この辺ではこう呼ぶみたい。そういえば、おばぁも言ってたような…。たい肥から出てくるって。

それにしてもコレは、現代っ子垂涎の的なんでないかい!? だってリアル・ムシキング(幼虫はプリンスorプリンセス?)なんだから。館鼻岸壁朝市名物・リアルすぎる幼虫グミもいいけど、本物はいいね! よし、聞いてみよう。


八戸館鼻岸壁朝市_ゴドゴド

八戸館鼻岸壁朝市_ゴドゴド

「もうかりまっか〜?」 答えは、
 「ぜんぜん!(きっぱり)」 アレ…? なぜに?
 「う〜ん。今の子はゲームの中の虫のほうが好きみたいよ。本物はハデにパワーアップしたり変身したりしないし」

なるほど。でもなんか、さびしい。たしかに甲虫類はカワイくない。お手もしないし、ツノもけっこう痛いし、そのわりにすぐ死んじゃうけど。ゲームだったらスイッチ切れば終わりで、面倒な世話も要らないしゴミも出ないけど。

ほんものの命をひと夏限り育てる。その儚さをも含めて価値がある、と思うんだけどなぁ。思い通りにならないことを経験してこそ成長があると、思うんだけどなぁ。

ムスメがもう少し大きくなったらいっしょにゴドゴドを育てて、リアル「虫めづる姫君」(古典:堤中納言物語より)もしくはナウシカみたいにしてやろうとたくらむ今日この頃です。

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