
日に日に世界が悪くなる、気のせいか
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の主題歌、「笑ったり転んだり」は「日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない」とか「毎日難儀なことばかり 泣き疲れ眠るだけ」「夕日がとても綺麗だね 野垂れ死ぬかもしれないね」と朝の番組にはつり合わなさそうな歌詞だなぁと思い、歌うのも〈ハンバート ハンバート〉というなじみのない男女夫婦のデュオだったりで、変な曲だなというのが第1印象。しかし聴いているうちに、どこか懐かしく、また今どきには珍しく体温を感じさせる曲なので、流れてくるとつい聴き入る。
その歌詞のように、現在は日増しに悪くなるような世界情勢になっている。ガソリン価格はリッター200円を超えそうである。
イタリアのメローニ首相は、昨年末、Xに「今の世界は厳しいが、心配しないで、来年はもっとひどくなる」と投稿していたようだが、アメリカ、イスラエルのイラン攻撃で、その通り世界は破滅の道に向かっていると思ったり。極右といわれていたイタリア初の女性首相メローニ氏は、「国際法の範囲外としてイタリアはこの介入に参加しておらず参加する意思もない」と明言している。
お薦めの本として村田沙耶香『コンビニ人間』があって、タイトルに惹かれず食指が動かないままだったが、やっと読む(オーディブルだったので聴いた)。第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作の本作は、独身・非正規の36歳の女性が主人公で、周りから「なぜ?」「結婚は?」と悪意なく強制してくる社会の「普通」の偏狭さ、それに対する息苦しさが、身に迫って描かれる。カモフラージュ的に同棲相手に選んだ男は、世間を小馬鹿にしつつ自分は働かないという「人間のクズ」。そうであってもやはり男性優位的な結婚や世間的な価値観の枠は崩さない。「この世界は縄文時代と変わってない。村の為にならない人間は削除されていく。狩りをしない男に、子供を産まない女。村に所属しようとしない人間は、干渉され、無理強いされ、最終的には村から追放される」。木村友祐さんの新作『殺しの時代における都市型狩猟の観察』にも通ずるテーマを感ずる。
さし迫って現代日本における初の女性首相は、今、このタイミングで訪米してどんな結果を持って帰国するのだろう? 日本の圧倒的多数は「普通」に戦争ができる国にしたいと思っているのだろうか? 気のせいか?そうじゃない?



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