
曖昧な境界、僕らは上手くやれるはず
テレビのニュースショーでは、各地に相次ぐクマ被害の話題が続く。秋田、岩手においても、人の生活圏に入り込んだ熊の映像が流される。
熊に襲われた体験は幸いなことに今までないのだが、その怖さを疑似体験させられたのは映画『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015年アメリカ・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)だ。レオナルド・ディカプリオが初のアカデミー主演男優賞を獲得しているこの映画では、山越えする毛皮ハンター一団のガイドを務めるディカプリオが子連れの熊に襲われるシーンがある。クマは息使い荒く圧倒的な力で、ディカプリオの身体を振り回し引きずり込む。
ディズニーのくまのプーさんなどは愛嬌があって好ましく思っていたが、騙されちゃいけないという気になる。
テレビで次の話題は、アサヒビールなどがランサム攻撃で物流にも大きな支障が出たというもの。マルウェアと総称される不正なプログラムを何らかの方法で侵入させて、コンピューターやネットワーク上のデータを暗号化して使用できなくさせ、その解除キーと引き換えに個人や企業へ身代金を要求する。
自然界からは熊の攻撃、人間の文明社会からはサイバー攻撃。両面からじわじわと圧迫されている憂鬱さがある。
クマ被害とサイバー被害に共通することとは何だろう?と、またAI君に聞いてみた。共通しているのは「境界」が曖昧になっているという点だという。森と街の間、国境を越えてのネットワーク、そして「境界が揺らぐ時代には、壁を高くするよりも、環境を整え小さな緩みを放置しない姿勢が欠かせない。自然にもデジタルにも、私たちは同じ教訓を学ぶべきなのだ」と優秀なAI君の回答である。
ホントかよ? 同じ教訓って何だ? AI君、君と僕の間でも境界はどこで、どうすればうまくやれる? 僕らは上手くやれるはず(We can work it out)ってビートルズでポールが歌っていたな。



この記事へのコメントはありません。