good grief!, やれやれ
告白すると…というのは英語で〝I do declare, 〟ということをポール・サイモン『The Boxer』の歌詞で知って、それから告白すると、正直に言うと、実は、からの言いだしには〝I do declare, 〟が脳裏について回っているという世代だが、告白すると毎月半ば、この「UKIPAL」の印刷入稿〆切が近づくたびに軽く鬱っぽくなってしまう。
それにしても今月は特にひどく、感情が暴走してブレーキがきかない状態というのか思考がグルグル、とめどなく循環してしまうというのか――。そういうことあるよねっ、みんな!、って呼びかけても、ある人もいるだろうし、ない人もいるだろうし、程度の差もあるだろうし。
原因といって何か1つ特定できるわけもなく、複雑に絡み合ってしまって、何が悲しく、何がむなしく、何が苦しくつらいのか、何で暗く落ち込んでいくのか、自分でも分からないし、分かっていたら落ち込むこともないし、そもそもこれは落ち込んでいるという状態なのか? 落ち込んでいない状態などこれまであったのか――round and round,and round and round,and round and round,and――昔で言えば壊れたレコード状態である。
遠因の1つにアメリカ大統領選のトランプ再選があるような気がしてきた。カマラ・ハリス候補を全面的に支持したわけでもないし、民主党・共和党どちらかというよりは、無所属のバーニー・サンダース上院議員推しなのだが、世界情勢に大きな影響を及ぼすアメリカの大統領を、2大政党だけで大相撲の優勝決定戦みたく決めてしまうというのは、むしろ過激、乱暴極まりない。
そんなことで地球の気候変動や、ウクライナやガザ地区や、アフリカ・スーダン内戦が収束するか。オセロゲームのように赤の共和党、青の民主党が入れ替わり、その都度、世界各国がふりまわされてしまうというのは、それだけでも十分憂鬱な事態である。
日本でも元日に起きた能登半島地震以来、心が重くなるような事件、出来事が相次いで起きた2024年も残りあと1ヵ月。
来たる2025年にどうにか希望の光明を期待したいところだが、1月早々にトランプの大統領就任式を見せられるのかと思うと、これから良くなるという期待よりこれより悪くならないことを祈るばかり。やれやれ。
スヌーピーの漫画『ピーナッツ』で、”good grief!”(これは大変!)を「やれやれ」と名訳した詩人の谷川俊太郎さんが、11月13日、92歳で亡くなられた。悲観や絶望は暇人の言い訳だ、と自分に言い聞かせたい。
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