
vol.19 タヒチアンダンサー、タヒチに泊まるタヒチアンダンサー(日本人の私)から見た、タヒチの人
数回前の連載から、2024年のタヒチ旅について振り返っています。
前回は、タヒチの水事情について書きました。
(前回の連載をご参照ください)
今回のテーマは、
「タヒチアンダンサー(日本人の私)から見た、タヒチの人」

タヒチ人についての1番の印象を言葉を選ばずに正直に言うと、
「こんなに大雑把に生きている人たちが、タヒチアンダンスだけはずっと昔から伝えてきてるんだから、すごい文化だな。」
です。
どうして大雑把な暮らしだと感じたかを紹介しましょう。
バス停はあるけど、時刻表はありません。
(どうやってバスを利用しているんだろう?)
レッスンの約束をしていても、当日になって予定変更になることは当たり前。
これは、どうやら「約束を破る」という感覚ではなく、
その時になって家族の用事ができたらそちらを優先したり、
疲れたと感じたらキャンセルする。
それが普通のこと。
という感覚みたいです。
タヒチ滞在の2週間、
朝起きたら、まず予定変更の日々でした。
Aさんから予定変更の連絡が来たため、
Bさんとの約束を変更しなければいけなくて連絡する。
のやり取りから朝がスタートします。
Bさんとの約束変更をいちいち申し訳なく思っていたら身がもたないのです。
さらに大雑把を極めていると思ったのは、車です。
古い車が多いのが気になり聞いてみたところ、
タヒチには車検がないそうです。
なので、ライトが壊れていても、窓が割れたままでも、床が抜けていても、そのまま乗り続けます。
信号がなくても常に歩行者優先なので、歩道に人が歩いているだけで車は必ず一時停止してくれます。
「道は相手に譲ろう」のスタンスで運転しているのか、道路環境や運転ルールが整っていなくてもヒヤッとする場面には出会いませんでした。
なんと道路までも大雑把とは!
案内をお願いしている現地ドライバーの女の子は、約束時間に大幅に遅れてきましたが、
「プレゼントしたくて、山にバナナを採りに行ってた」
と満面の笑みで野生のバナナと登場したりもしました。
(最高に甘くておいしい野生のバナナでした。)
日本であれば、イライラもしたかもしれません。
暖かな気候がそうさせるのか、
いつでも「オーケー!エンジョーイ!」なタヒチ人の雰囲気にのまれたのか、
すべて受け入れて大らかな気持ちで過ごすことができました。
(さすがに「あれ?時間大丈夫かな?」と不安になることは度々ありました。笑)
いつも時間に追われ、少しの予定変更にも動揺してしまう私にとって、
タヒチ人の大雑把さは
「自分軸で生きる」
「自分を大切にする」
ことのヒントになるだろうなと感じました。
そして、こんなに自由なタヒチ人ですが、タヒチアンダンスに関しては妥協せずに取り組んでいるわけです。
何百年も前から、度重なる逆風にも耐えながら必死で継承してきたタヒチアンダンスは、本当にタヒチ人にとって大切な大切な宝物なのだと実感しました。
これぞ国をあげての伝統文化なのだなぁ。
バスの時刻表もないようなお国柄の方たちが、プライドをもって楽しみ継承しているタヒチアンダンス。
それを、遠く離れた日本の私が学ばせていただいていることに、改めて身が引き締まる思いでした。
旅の記録としての記事は、今回で最後です。
次回の記事からは、また日々のダンス生活についてつづる予定です。
引き続き、ご覧いただけると嬉しいです。





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