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ジーパン学長 第7回 「健康の聖地・種差海岸」ビーチランナーズクラブ


ビーチランナーズクラブ1

「いつもこの種差の天然芝を人々がジョギングしてるのを観光客が目撃するようになったら素敵なのにね」
八戸学院大学短大地域連携研究センターが青森県と共同で開催した「あおもり創発塾シンポジウム」での勝手かつ無責任なる私の発言から、あるムーブメントの試みはスタートした。
早速フェイスブックに「種差ビーチランナーズクラブ」なるページを作成し、早朝日の出時刻に三々五々集まり、1周約1キロの芝を好きなように走る事とした。日曜日にはこの地域ムーブメントの小さな芽を育てるために本学陸上部女子駅伝チームも一緒に練習をすることにした。日曜午前は高校生や近隣の駅伝チームなども加わり、けっこう賑やかなランニング風景となりつつある。

ライフスタイルに共通の目的や厳しい規則などは似合わない。勝手に生まれ、勝手に愛されるのが真のライフスタイルであろう。雪が降り始めた今、私もやせ我慢をしながらも、勝手に日の出時刻の芝でのランニングとその後の温泉を楽しんでいる。朝ランと早朝から営業している温泉の両方を、出勤前に楽しめるのは八戸健康ライフスタイルの重要なポイントである事は間違いない。
三陸復興国立公園に編入された種差海岸周辺は様々な整備や試みにより「観光」地として関係者必死の形相で売り出そうとしている。 その努力には心から敬意を払うが、果たしてマーケティング的にこの戦略と戦術は正しいのか? いや効率的であろうか? 継続性があるのであろうか? そして投資効果は投入予算にふさわしいリターンを得ているのであろうか?
風光明媚な景観、新鮮で美味しいご当地食べ物は、残念ながら全国どこの地に行っても存在する。そして様々な映像や情報に溢れている現代、観光地に行くだけで満足を得られる事は過去の話となった。五感をよほど刺激する体験や、特別なおもてなし感なしには満足も得られなく、他の観光地と全くもって差別化出来ないであろう。むしろ「日本一辿り着くのに不便な観光地」や「日本一愛想のない温泉」くらいのほうが訪れた人の達成感はひとしおであろう。


ビーチランナーズクラブ2

そういう意味では青森県は有力な候補地を多数もっているので、下手なインバウンド促進キャンペーンなどやめた方が良いかもしれない。単価の低い団体の観光客が増えても、事業者は再び疲弊するだけだ。
所有欲も満たされた人間の向かう欲求は、「マズローの五大欲求説」のごとく昇華されていくのだが、最終的に人間の願いとお金の向かう先は「美と健康」であり、究極は時の権力者楊貴妃やヒトラーもが探し求めた「不老不死」である。物欲に飽きた消費マネーは健康に向かうのだ。

先日この私の仮説が青森県でも通じるのかどうか実証してみた。3回にわたり五戸にある五戸まきば温泉で3泊4日のファスティング(ジュースによる半断食)プログラムを本学地域連携研究センター監修の運動プログラムや生活習慣指導と組み合わせて募集した。通常の2食付きの宿泊料金よりも高い価格設定でありながら、食事なしの宿泊プログラムは即完売した。
参加者は近隣だけではなく何と津軽地方からも多数参加した。参加者は平均2・3kgの減量を実現して満足とともに帰宅、今後も定期的に通いたいとのアンケート結果も得られた。ネットからは参加したいとの問い合わせが首都圏からもあった。
まさに普通の旅行に飽きた人々は、特別な目的地、健康そして不老不死にこそお金を支払うのである。この事実にこそ、豊かな地域資源を持つ我々への明快なヒントがある。
我らが地域資源の宝である種差海岸。幸い蕪島からの「みちのく潮風トレイル」が整備された。体験出来る観光地としては一歩前進である。しかし、このままで良いのか?


ビーチランナーズクラブ2

ここで思い切って一気に「健康の聖地・種差海岸」と勝負に出ては如何であろう。葺毛崎往復10キロのハイキングだけで終わらずに、種差海岸の民宿に泊まり、朝は天然芝生地でのヨガと海藻サラダの朝食で始まり、トレイルのランニング、芝のジョギング、インフォメーションセンター起点の種市往復サイクリング、少し足を伸ばして階上岳登山や登山道トレイルラン、大須賀海岸の2キロビーチランニング、種差起点の健康アクティビティーの選択には悩まない。
もちろん宿の食事はこれも私が勝手に唱えている「シーフードベジタリアン」。
南部の多彩な野菜と新鮮な魚介類だけで過ごす。加えて冬は、民宿でのダイエット希望者へのファスティングプログラムも提供出来れば、目的はさらに明確化されリピーターも客単価も向上するであろう。
四季を通して種差海岸は、健康な人々と健康になりたい人々の聖地となるのだ。

勝手に始めた「種差ビーチランナーズクラブ」は、健康ライフスタイル都市八戸への勝手な試みの勝手な布石であるが、勝算は大である。
戦略とは勝てる場所を選ぶ事。勝てる場所とは「地域資源」と「持っている強み」と「ターゲット(顧客)」の交じり合うところなり。

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