冬の迷い路

 ふっとどこで聞いたか読んだか、倉本聰の名作ドラマ『北の国から』をビデオで観た若い人が「どこが面白いか分からない」という感想だったことに軽く驚いたことを思い出し、けれどもそういうことだってあるだろうなと前々から想像もしており、あらためて「時代だなぁ」と口に出すことなくつぶやいたのだけれど、でも時代って何だろうって考え始めたら、じゃ時間って何だろうっていうところに巡ってしまい、ググってみたらプトレマイオスだのニュートンだのアインシュタインだのが出て来て、十二進法だの六十進法だの、だんだん迷路にはまって行く感覚に陥り、そう言えば昔々、野上弥生子『迷路』というずいぶん長い小説を読んだなと思い出したところで、今度は♪Time, time, time, See what’s become of me(時よ、時よ、時よ 僕はどうなってしまったのか)と”A Hazy Shade of Winter”(邦題『冬の散歩道』)が脳内BGMのように鳴りだして、そうか、ポール・サイモンが曲を書いてから50年以上になるのだな、このようにして時は刻まれ時代が移り変わるのだなと感慨にふけりつつ、そういえばと改めて数えてみたら今年の紅白歌合戦の出場の半分ほどが英語アルファベットのグループ名だったことに、またまた驚きがありました。諸行無常。

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