明日があるさ、希望があるさ

 2025年幕開きにあたって、何か前向きで明るい気分になることを書こうとする2024年師走下旬なのだが、そんなトピックが全く思い浮かばず、頭の中がとっちらかったまま。ポジティブな、向日的な、人生肯定的な、そんな話題――がない。焦る。しかし、ない。何かないかとニュースサイトなどを漁ると、ますます沈み込む。
 手当たり次第に、例えば、奈良県が来年、K-POPアーティストの無料屋外ライブを企画、事業費約2億7000万円。その一方で2006年から行われているという1億円規模の天平祭を廃止したとか。
国会会期末に大詰め政治資金規正法の再改正をめぐり与野党が大揉めする中で、自民党は一部支出を非公開にする「公開方法工夫支出」の創設を断念したとか。それにしても公開方法工夫支出って……。
 米ウィスコンシン州マディソンの学校で、銃撃事件が発生し、2人死亡、負傷した生徒6人の2人が重体。容疑者はこの学校に通う17歳の女子生徒……。世の中真っ暗、という気さえする。
 小学6年生の国語の教材に「笑うから楽しい」というのがあるそうだ。
 『心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる』という9世紀のアメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズの言葉から、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という「アズイフの法則」を導き出す。
 ”as if”とは、「~のように」という意味の熟語で、幸せそうに振る舞ってみると自然と幸せな気分になれるというのだ。
 生来のひねくれ者で、天邪鬼で、ネガティブ人間の僕には、「豚に真珠」「猫に小判」「馬の耳に念仏」かもしれないが、溺れる者は藁をも掴む、Wordにすがる。冒頭のように、なるべく明るい記事にしたいのだ。
 つとに思うことは、毎日ご飯を食べて風呂にも入れて布団にくるまれて眠れている、そんな暮らしの人間(自分)に絶望する権利などない。
 あまりに暗いニュースに同調しすぎて、自身の心が陰鬱に沈みこんではいけない、そう思う。
 何が絶望だ!どこが虚しいだ!、天国から詩人の茨木のり子さんに「ばかものよ!」とカツを入れてもらいたくもなる。
 悲しく暗いニュースはあまりに多いが、希望があるようにふるまえば、希望はあるさ。2025年、あけましておめでとう。

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