ポール佐藤の「まちの音まちの色」第5回

展望台から真っ白な青葉湖を眺める。

固形の水彩絵の具は小さな粒でも長持ちするけど、雪景色ならいっそう節約できるね。

白を描くとき、水彩画では紙の白地を残すのが基本だから。

風がないせいか妙に静かである。

世界の音が雪に染み込んで、時間が止まっているかのようだ。

この白い風景の中では、自分がいつの時代にいるのかわからなくなる。

ひょっとするとまだ小学生で、冬休みの校庭で雪の上に寝転んだり(あの頃雪は友達だった)、雪だるまに石炭で目鼻をつけて(あの頃の教室は石炭ストーブだった)遊んでいるような気になる。

冷えてきたからあったかい鍋で一杯やりたいけど、家に帰ったら母親に『早く宿題しなさい!』と叱られる?

 ・・・なんてことはないよね。

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