ポール佐藤 まちの音、まちの色
平凡であることの幸せ、 続けることの難しさよ。
この文章が誌面に載る頃、世界はどうなっているのだろう。そもそも無事に発刊されるのかさえ不安にもなる。 新型のウイルスが現れてから、一ヶ月先どころか、来週…いや明日がどうなっているか想像するのも難しい。 もともと、一秒先の未来でも、正確に言い当てるのは誰にもできないだろうけど、今は変化が急すぎる。スピードが百倍くらいになっているのではないか。 変化が緩やかであることが、どんなに幸せなことであるか、こういう時改めて思う。昨日とそっくりな今日が続くことが、どれだけありがたいことか。平凡であり続けることの難しさよ。 人間社会の非常事態をよそに、地球の風景は何も変わらないように見える。花は咲き、川は流れ、月は満ちて欠けていく。 しかし私には見えていないものがあるのだ。世界は一つではなく、何層にも分かれていた。ウイルスや細菌の視点で見たら、どんな風景が広がっているのだろう。 ま、私は私の風景を描き続けるだけだね。歌いながら。
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