
vol.2 タヒチアンダンサー、化粧をする
私がタヒチアンダンスに夢中になった理由のひとつが「変身できる」ことだ。
遠くからでも表情がわかってもらえるような、ステージ映えのする濃いメイク。
髪形は、タヒチ人特有の、腰まであるロングのウェーブヘア。
ダンスを習い始めた時に初めて見た先生や先輩方のステージメイク姿は、バッチリ決まっていてとてもかっこよくて憧れた。
みんなが現地のダンサーのように見えてキラキラしていた。
芸能人のような感じさえして、一緒に撮ってもらったツーショット写真は宝物だった。
いざ、自分が初めて発表会に出るとなった時、ダンス用のメイク道具をとてもワクワクした気持ちで買いそろえたのを思い出す。
「ダンサー用」の化粧品屋さんがあることも知らなかった。
先輩に教えてもらいながら初めてメイクをした時は、こんなにとんでもなく濃く塗って大丈夫なのか?!
と衝撃を受けて笑ってしまったが、休み時間の小学生のようにギャーギャー騒ぎながらメイクで盛り上がったあの時間はとても楽しかった。
「地味な顔でイヤだなぁ~」と思うことの多かった自分の顔が、彫りの深いダンサー顔に変身した。
メイクって、、、すごい!!!
この、ワクワクした気持ち、いつもの自分とは違う自分に変身できる高揚感をAOREVAの生徒にも味わってほしかった。
そこで、現在、在籍している生徒を対象に「生徒さん感謝DAY」というものを3月に開催した。
私が生徒達にタヒチアンメイクをしてあげて、私の持っている衣装から好きなものを身に着けてポージングして写真撮影をする。という内容だ。
生徒たちは、少しソワソワした様子で感謝DAYに来てくれた。
いろいろな化粧品をどんどん濃く塗られていって戸惑っていた。
メモをとりながら熱心に聞いてくれる生徒もいた。
いったい自分の顔はどうなってしまうのだろうと不安そうにも見えた。
けれど、最後の仕上げをして、バサバサのつけまつげを付けて完成すると、お互いの顔を見て歓声があがった。
「え!すごい!!かっこよくなってる!」
そうそう!これを味わってほしかったの!
人は誰でも、美しくなったら嬉しい。
「自分もこんなにキラキラできるのねっ♪」という経験を、タヒチアンダンスを通してしてもらえたことがすごく嬉しかった。
やっぱり好きだなぁ、タヒチアンダンスの世界。
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