燃えよ『ドラゴン桜』

 ドラマ『半沢直樹』シリーズと同じ時間枠なので、続けて見ていたら『ドラゴン桜2』に、しっかりとハマってしまいました。旧作シリーズにも興味がわきレンタルDVDを借りて、平行して見ている始末。前シリーズが放送されたのは2005(平成17)年、今から16年前です。どういう偶然なのか、16年前という半端な数字の過去を想起させる出来事が私的に続いています。

 2005年とはどんな年だったか。太平洋戦争敗戦60年、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件から10年。 NHKラジオ放送開始80周年。普通選挙法施行80周年(25歳以上男性の投票権)。女性参政権獲得60周年――などがつらつらと並びます。それほど派手なエポックがあった年ではありませんが、地味に時代の変わり目を感じさせます。個人的には確かに転機の年ではありましたが、世の中的には「失われた20年」と言われながらも、諦めきれないバブル的な残り香を漂わせたまま、次第に社会が厳しくなっていくというその空気感を思い出します。2001年の米国同時多発テロと2011年東日本大震災の中間というと伝わりやすいかもしれません。館鼻岸壁朝市が始まって数年。

 『ドラゴン桜』というタイトルは記憶にありますが、ヤンキー高校生が熱血先生の指導で目ざめて、東大に受かるぐらいの話なんだろうっていう先入観しか持てず、コミックもテレビドラマも見ることもありませんでした。けれども今のコロナ禍で見直すと、ドラマ中の「バカやブスこそ東大に入れ!」という挑発的なスローガンは、何か別の意味を帯びているように思えてきました。最近読んだエッセイの中に「地方にはヤンキーと○○しかいない」と辛辣なものがありましたが、現実を直視することの大事さを、阿部寛さん演ずる桜木健二弁護士から教えられる思いです。今さらにではありますが、気づくに遅いということはない――と信じたいところではありますが、点々々。

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