Black Lives Matter

ミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが、2020年5月25日に白人の警察官から8分46秒間にわたって頸部を膝で強く押さえつけられて死亡させられた事件は、SNSでそのショッキングな映像が広く流布され、世界中の抗議を呼び起こしました。
これまでも警察による人種差別的な暴力事件が起こる度に「Black Lives Matter(黒人の生命は大切だ)」というスローガンのもとに、デモやSNSでの抗議活動が行われてきました。同時に白人を中心に「All Lives Matter(すべての生命が大切だ」と言い出す動きもあるようです。
「すべての生命は大切だ」というメッセージはもっともらしく抗いがたい美辞麗句ですが、アメリカの19歳のシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュが自身の巨大なSNSで発信したコメントは注目すべきものでした。
「今は何百年にもわたって続いてきた、黒人に対する迫害をどうにかしないといけないとき。”Black Lives Matter”っていうスローガンは、他の生命が大切ではないっていう意味ではないんだ。この社会が明らかに黒人の生命を大切にしていないってことに注目するためのものなんだよ」と。
アメリカ合衆国の実話を元にしたというスパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』(2018年”BlacKkKlansman”)は、黒人警官が白人至上主義の過激派団体KKK(クー・クラックス・クラン)に入団して潜入捜査するというビックリの映画でしたが、第91回アカデミー賞作品賞、監督賞などにノミネートされたエンタメの秀作でした。今ならまだAmazonプライムで無料で見られます(会員であればですが、AmazonのPRではありません)。
狭い交友範囲で残念ながら黒人の知人友人はいないので、観念的な話しかできませんが、フロイドさんが必死に訴えていた”I can’t breathe.(息が出来ない)”という言葉は、地域・人種・性別を超えて21世紀のこの世界で切実な響きを帯びているように思います。

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